先日(土曜日)に「Mendelssohnのマチネ」と題した全メンデルスゾーン・コンサートを終えました。概ねうまく運び、手ごたえと収穫を得ることができたように思います。
公演の前までは、反響があったとしてもごく小さなものだろうと考えていましたが、予想とは違いメンデルスゾーンの音楽に関しての純粋なコメントや、メンデルスゾーンにフォーカスしてプログラムを取り挙げたことそのものを評価する声などもたくさんあり、会場内は賞賛の嵐といってもよいほどで自身としても大変達成感がありました。
メンデルスゾーンの重要な作品を一挙に紹介するという画期的で重みのある一日となりました。曲目には佐野真弓さんによるピアノでロンド・カプリッチオ―ソ&ゴンドラの歌、原田泰彦さんによるテノールで歌曲集と『エリヤ』からのアリア、そして私自身がヴァイオリンソナタ(1838)&ヴィオラソナタを入れました。
もちろん、全てがうまくいったわけではありません。企画段階での難しさや準備の難しさなどもあり、不安のようなものは少なからずあったと思います。結果としても理想的だったかどうかはわかりません。
ただ、できる限りの力を尽くして実現にこぎつけ、メンデルスゾーンの音楽を世の中に発信できるよう協力してくれた共演者の皆さん、その他の皆さんを称え感謝の意を表したいと思います。
一つ大事なことは、メンデルスゾーンの音楽はまだまだ広く認知されるのには時間がかかることです。近年メンデルスゾーンに関しては再評価や再発見がされてきてはいるものの、理解は深まっていません。今回のコンサートそのものは最終目標ではなく、まだスタート地点です。今回行った活動をこれから継続していき、メンデルスゾーンの音楽がクラシック音楽の真の重鎮として根付くように惜しまず努力していかなければならないのです。
もうすでに今私は次に行うメンデルスゾーン・コンサートのアイデアを練り企画・検討をするところです。まだ漠然としてはいますが、早ければ来年の早いうちに実現できればと思っています。
松川 暉