あと数時間で「新年・2019年へようこそ!」と叫んでいる頃になりました。
2018年に起きたこと、経験、達成、成功や失敗、ハプニングなどを総括する機会であることもさることながら、生徒たちのCoaching (指導) に追われる日々が続いたこともあり、先月11月にあったハンガリー・ブダペストの演奏会に関して何も書いていなかったので、ここで軽くまとめておきます。
11月23日夜のドナウ宮殿のホールはたくさんの来場客で満席でした。この演奏会には、在ハンガリーの日本大使館関係者の方も来られました。ベートーヴェン協奏曲の序奏のティンパニの音が響く前にすでに聴衆からの緊張感や期待感のようなものが少なからず伝わってくるようでした。
まさにこの瞬間が、1年以上も前から練習していた際に何度も何度も繰り返しイメージしていた光景であり、ステージに立って指揮者Horváth Gáborさんが目で合図した時、ついにその瞬間が訪れたのだなと感じたのでした。とてもただならぬ雰囲気でした。

ベートーヴェンが譜面に描いた世界を表現しつつ浸ること45分、協奏曲が終わりを迎えました。
聴衆は大きな拍手を送りましたか?
―はい、聴衆の反応は私にとって素晴らしいものでした。このような偉大な作曲家の偉大な大曲・名作を演奏したあとに彼らがあれほどまでに熱狂的に拍手しているのを見て私はとても信じられませんでした。
アンコールの演奏は?
―アンコールは演奏しませんでした(笑) 聴衆のみなさんが揃ってかなり長く拍手をし、私はなんと4回もカーテンコールを受けたので、その間ずっと考えてはいました。私が何かアンコールに演奏することを期待していたのだと思います。
45分にもわたるベートーヴェンの壮大で偉大な芸術を越えるものはなく、それにとって代わるのもやそれ以上に付け加えることのできるものは何もないと私は思っています。
ブダペストという素晴らしい都市で共有した音楽を生きる素晴らしい貴重な機会を得ることができたことを、とても有難く思います。この特別な夜は私の生涯を通して忘れることのないものになるでしょう。
このコンサートに際してあらゆる管理をしてくれたマネージャーのLaszlo Blaskovics さん、そしてその他の協賛してくれた方々、来場していただいたハンガリー人の音楽ファンたちや私の友人たちに感謝の心を送りたいと思います。
松川 暉
(了)