今年聴くべきクリスマス音楽5選 (2017年12月15日)

あなたの最も好きなクリスマス音楽はどの曲(歌)ですか?

私の場合は、クリスマスになるといつでも聴けるようにお気に入りの音楽が手元にあり、ほぼ毎年のように聴いています。そして、もし自分がまだ知らなかった音楽でよいものを発見したら、それもお気に入りのリストに入れることもあります。
今日のこのブログでは、私が選ぶ「トップ5 クリスマス音楽」を紹介します(下の方のどこかにあるので読みすすんで見つけて下さい)。
その前に、あまり長々と語りたくはありませんが、以前からずっと気になっていてここではっきり言っておきたいことがあります。かなりストレートにずけずけと書いていますので、歯に衣着せぬ表現が苦手な人は読まないでください。
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で、言いたいこととは?
休暇や休日、記念日(クリスマス、ハロウィン、感謝祭など)になるといつも、それを酒を飲む言い訳に使い、誰が一番楽しげに充実して過ごしているかを決める競争のようにあしらう風潮があります。
この現象は学校やキャンパスだけでなく、社会人の世界でもかなり支配している印象です。近年のソーシャルメディアの普及・発展も一因として考えられるかもしれませんが。
例えば、以下のように休日や記念日を捉えている人が少なくないでしょう:
1. 休日や記念日は、退屈な日常の生活からの逃避。
本来なら、24時間365日熱心に打ち込める、自分の人生にとって大切なことがあり、その傍らで皆とパーティーしたり翌朝11時まで酔い呆けるほんのちょっとした金曜日の夜や週末、休日がある、といった感じは好ましいでしょう。しかし、仮にあなたがそのちょっとした何でもない休日が楽しみで仕方なく仕事に熱中できないで毎日を過ごしているとしたら、それは警告のサインです。中には普段とちがう自分の充実ぶりをやたらとアピールし、あまり周りの流れに乗り切れていないように思える人たちを軽蔑し見下す格好の機会と捉えている人もいます。こういった人たちは、目立つことや自分の一時的な優越感を誇張することにのみ人生の目的を見出すのでしょう。
2.休日や記念日は、日頃に言えない感謝の言葉を伝える日。クリスマスは恋人に愛を表現する日。
『ラストクリスマス』や『恋人たちのクリスマス』(和訳)などの歌は、そのような感情を過剰に意識させる引き金になりやすく、まるでそれが全てであるかのように必要以上の重みを与えることにつながります(自分にとって大切な人と過ごせない人にとってはまるでそれが悪いことかのように錯覚させられるほどでしょう)。
これらは誰にとっても得るものがなくお互いいい心地のしない捉え方で、存在しうる現象として一番良くないものだと思います。
これでは、メリー(陽気な)クリスマスではなく、悲しいクリスマスになってしまいますね。
上記のような事柄は、正直言って休日の意味・価値を大げさに考えすぎです。そのような捉え方をしている人たちは、まだ本当の意味での自由や幸福感を実感できていないのかもしれません。日々の生活が退屈だからにせよ、(仲間はずれになるのが怖くて)周りに影響されているからにせよ、それを些細な日常の一部と考えず思いっきり弾けまくらなければならないというある種の強迫観念のようなものになってしまっているのでしょう。
しかし、これは元々は彼らだけに責任があるというわけではないのです。その理由はこうです:
『恋人たちのクリスマス』が人気を得たのは、それが教育的だったからでも、長寿の秘訣だったからでも、大金が隠されていたからでもありません。

テレビやメディアが、煽動されやすい大衆に向けて意図的に拡散した不誠実で根拠のない概念、だからです。

歌というのは一度聴くと歌詞が頭に入りやすく、マイナスな影響をもたらす思考パターンや習慣をもたせるように脳を巧妙に操作してしまうということに多くの人がまだ気づいていません。
統計によれば、2006年を例に挙げると、アメリカ国内だけでもこの歌は50万回以上ダウンロードされていることがわかっています。そして、過去数十年にわたってもクリスマス中テレビやラジオなどで放送され続けているわけです。
そこで考えなければならないことは…
❝歌がある種のリズムやメロディーを伴って印象づけられると、どうなるのか?❞
無意識のうちに頭の中で歌詞が何度も繰り返されるようになります。
❝そして、歌詞が何度も頭の中で繰り返されると、それは結果的に何を意味するのか?❞
その歌詞の内容がやがて自分の考え・信条と化すのです。
ただ願ったからといって、魔法のように何かが叶うわけではありません。それは、何か実際に行動を起こしたときにのみに物事は起きるのです。『恋人たちのクリスマス』ほど滑稽なものはあまり聞いたこともありません。
知っているかどうかわかりませんが、私の場合はクリスマスは通常との差はほとんどありません。もちろんクリスマスに関心がないわけではありませんが、特にこうであるべきだ、という固定観念のようなものはありません。ただ、自分の進むべき道や人生、そして自分を信じてくれている人たち全てを寵愛するのはむしろ日常のことなので、それ以上に求めるものはないかもしれませんし、それはせいぜい身近な人(たち)と共有するだけで十分ではないでしょうか?
つまり、すでに自分に与えられているもの、自分が手にしているものに満足しなさい、ということ。中国の哲学者・老子もそう言っています。あなたがもつ全てのものには常に、信念を持ち愛すに足りる十分な理由があるのです。より良いクリスマス(そして新年・将来)を過ごしたいと思うなら、これはとても重要な心構えでしょう。
さて、これで結局のところ長くなってしまった真剣話もおしまい。
クリスマス音楽トップ5に移りましょう!

クリスマス音楽トップ5 

1.もみの木原語:O Tannenbaum)

このクリスマス・キャロルは、長年にわたって労働党歌や軍歌としてアメリカ合衆国、イギリス、アイルランドで歌われてきた歴史深いものです。起源は16世紀にさかのぼった北ドイツの民謡で、今日に至るまでに様々な形式や編成で歌われており、多くの編曲版が存在しています。

アメリカ軍楽隊バージョン:

アンドレア・ボチェッリ(テノール) バージョン:

アンドレ・リュウ(ヴァイオリン)バージョン:

 

2.高き天より(原語:Vom Himmel Hoch

おそらく他のどの音楽家とも格の違いをみせる卓越した技量と類稀な英知に恵まれ、天の賜物ともいえるほどの作曲家フェリクス・メンデルスゾーン(1809-1847) は、結婚行進曲やヴァイオリン協奏曲などのおなじみの名曲でよく知られています。能力の及ぶ限りメンデルスゾーンは全分野の音楽を手がけ、全ての楽器のための作品を数多く書き残しました。しかしながら、2世紀近くたった今、メンデルスゾーンの音楽の中で最も忘れ去られた、もしくは過小評価されているのが、合唱曲です。『高き天より』はオーケストラによる伴奏がついた複数の楽章から成り立ったクリスマス・カンタータで、メンデルスゾーンの合唱曲の中でもひときわ特別な曲といえます。作詞は15~16世紀の宗教改革者マルティン・ルターの『高き天より我は来たれり』という讃美歌に基づいています。20才にしてヨハン=セバスティアン・バッハ(1685-1750)の死後約100年で初めてマタイ受難曲を指揮(しかも完全な暗譜で)し大成功を収めたメンデルスゾーンは、バッハの絶対的な崇拝者で、意欲的にバッハ音楽の復興に尽力したのでした。『高き天より』でも同様にバッハの音楽様式を模倣し、尚且つ独自の色彩豊かな和声を盛り込んでいます。

『高き天より』は17:35からスタート

 

3.天(あま)には栄え

これも、メンデルスゾーンが書いたクリスマス合唱曲(作詞チャールズ・ウェズリー)で、1度くらいは聞いたことや歌ったことがある人も多いのではないでしょうか?『天には栄え』は、1840年にグーテンベルグの印刷会社の400周年を記念にメンデルスゾーンが作曲した讃歌(カンタータ)の一部分です。こういった合唱曲もされど、メンデルスゾーンにはクリスマスにちなんだ作品が他にも多数あり、6つの詩篇Op.79 より「聖誕祭(クリスマス)」や、子供のためのピアノ小品集Op.72 はクリスマスのための曲とも言われています。

4.クリスマス・オラトリオ(J.S.バッハ作曲)

この1734年に音楽の神バッハによって作曲されたオラトリオは、西洋音楽で最初のクリスマス・オラトリオといえます。教会暦にしたがって、通常12月25日から1月6日にかけて毎日1部ずつ演奏されることになっています。

5. 赤鼻のトナカイ

クリスマス・ソングとしては幅広い世代で最も親しまれているものの一つ。この赤い鼻のトナカイの名前である「ルドルフ」は日本語訳にはありませんが、1930年代のアメリカ・シカゴのとある宣伝関連の会社に勤めていたロバート・メイが作った童話に出てくる想像上のトナカイです。自分だけが赤い鼻をもっていたことで周りから笑われ辛い思いをしていたルドルフが、あるクリスマス・イヴに子供たちのプレゼントをたくさんのせたサンタのソリを先頭で引っ張ることになって大活躍してから輝き愛されるルドルフへと変わったというお話。所詮おとぎ話といえばおとぎ話ですが、自分の短所を長所に変えていくというなんともアメリカ的発想です。メイには妻と娘のいる小さな家庭をもっていましたが、自分の母だけが病に倒れていることに落ち込んでいた娘に希望を与えようと、この赤鼻のルドルフのお話をつくったのです。わずかな希望の光を求める、そんな一つの悲しい家族の感情が垣間見える童話ですが、これがのちに絵本として登場しベストセラーとなっていき、ジーン・オートリーによって今日歌われている『赤鼻のトナカイ』が生まれたわけです。
以上、私が選ぶ「クリスマス音楽 トップ5」でした。
<了>

 

 

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