快晴の日曜日となりましたが、皆さんいかがお過ごしですか? (こちらは気温31℃ほどですが、日本はおそらくもっと暑いのでしょうね)
金曜日からここでぱりっとした美味しい空気とウイーンの日光を浴びながら、数日間の旅を満喫しています。(ところで昨日は午前快晴、午後大雨、夜満月と、波乱というかめまぐるしい1日でした 🙂 )
古く歴史のある建築(家や大聖堂など)、銅像、そしてなんといってもドナウ河。芸術の都という名に恥じずすべてに威厳があり、これらに囲まれて過ごすひとときは格別です。こんな世界を今まで長年ずっと思い浮かべていたわけです。あと2、3日はここで過ごす予定です。
ブダペスト最終日の祝賀騒ぎに加えて、ウイーンへの移動と大忙しで書けなかった木曜日のドナウ宮殿でのコンサートについて書いておきます。
平日で日中の開催だったものの、観衆はほどよく集まり、雰囲気も穏やかで好ましいものでした。
私と指揮者アンドラス・デアク、そしてドナウ交響楽団は、本番までの1週間ほどをドヴォルジャーク・ヴァイオリン協奏曲の練習でともに過ごしましたが、本番に至るまでの経過だけでも素晴らしい貴重な経験といえるものでした。
もちろん、曲を仕上げる過程でいくつかの問題があったのは事実です。ドナウ交響楽団はまとまりのある楽団でしたが、この協奏曲についてはまだ経験が浅く、細かい表現やダイナミック、バランスなどを配慮する余裕が足りず、指揮者と私両方にとって問題でした。我々が置かれた一つ一つの状況というのは毎回異なり、上手くいくはずのものが上手くいかなかったりということが何度もあります。どれだけ入念に準備して構想を頭に浮かべても必ず壁にぶち当たるのが現実の世界です。今回もそういう意味では全く同じような困難があり、そこで苛立ったり落ち込んだりせず、困難に向き合いそして状況に適応し、最善の解決策を見出す努力をしたことはとても重要だったと私は考えています。そうしてこそ、ソリストだけでなく指揮者やその他全ての音楽家はたくましく成長し、立派な音楽家になるのではないでしょうか。
誠に喜ばしいことながら、この公演後、2018-19年シリーズのドナウ宮殿でのドナウ交響楽団とのコンサートに再び出演することが決まり、協奏曲を演奏する機会を頂きました。
次回は今回よりももっと素晴らしいコンサートになると期待しています。そして、それに伴う数々の挑戦も非常に楽しみです。
最後に、マネージメントにおいて、秩序を保ち、予定・企画などを遂行し、この大きなプロジェクトを成功させた最高責任者のラスロ・ブラスコヴィチさんに感謝の言葉を申し上げます。彼が真摯に努力し、寛大さと信念をもって創り上げてくれた偉大な機会はこれからも忘れることはなく、心の底から感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
松川 暉